墜落寸前の「幸せ航空」?

飛行機が墜落する確率がどのくらいか、ご存じですか?
なんと、8200年間、毎日飛行機に乗っても、1回事故に遭うか遭わないかという確率です。
つまり、飛行機は非常に安全性が高い乗り物だと言えます。
ところで、3機に1機が墜落するというありえないほどリスクの高い飛行機が存在します。
それは、「結婚」という名の飛行機です。

 

現在の日本で、この飛行機は40秒間に1機の割合で飛んでいますが、目的地に到着できるのはなんと、その中の3分の2という至ってハイリスクな乗り物となっています。
統計によると、日本では40秒に1カップルが誕生する一方で、2分10秒ごとに1組の夫婦が壊れているという計算になるそうです。(厚生労働省調べ)
ですから、この瞬間にも墜落の悲劇は起こっているのです。
しかし、多くのカップルが続々とこの飛行機に夢と期待をふくらませて乗り込んでいきます。

 

この飛行機は一体、誰が操縦するのでしょう?
コックピットには未経験のパイロット、つまり、新婚カップルが座ります。
飛行機のボディーには華やかなデザインで「○○家パラダイスエア」とペイントされています。
この時点では、これからの旅がとんでもないリスクを抱えているなどとは思いもせず、夫婦は期待感で一杯なのです。

 

機長(夫)は「俺に任せておけ!」と、頼もしく副操縦士(妻)に声を掛けます。
すると妻である副操縦士が、「いつもあなたを支えるから!」とにっこり応えます。
さぁ、エンジン全開、この飛行機は空に向かって無事離陸します。

 

ところが、しばらくすると異常事態が起こります。
突然エンジンが停止し、あれよあれよという間に、機体は危機的状況に!
ふと後ろを見ると、客席にはパニック状態の子供たちが泣き叫んでいます。
ところがそんな子供たちをよそに、コックピットの夫婦は、互いに言い争いを始めています。
「このままじゃ、墜落よ! どうするの? あなた、操縦方法を知ってるんでしょ!?」
「俺はそんなこと教わってないよ!  やばい! もうダメだ~!!」
飛行機から避難信号が発信されますが、その後、飛行機はなすすべもなく墜落…。

 

このような墜落寸前の「幸せ航空」は、どうすれば離婚の危機を回避することができたのでしょうか?
また、機体を安全に保つために何をすべきだったのでしょうか?
そもそも、機体を操縦する技術もなく、機体のメンテナンスが十分に行われていない限り、夫婦という飛行機は常に危機的状態にあると言っても過言ではありません。
もし燃料が足りないのにそのまま飛行していたら、墜落するのは当然のことです。

 

九死に一生を描いたドラマやドキュメンタリー番組などを皆様もご覧になったことがあるかと思いますが、これらの物語は実に多くの人の心を釘付けにします。
彼等は、どうやってその危機を回避できたのか?
絶体絶命の危機にさらされたにも関わらず、奇跡的に生還を遂げた旅客機の物語の背景にあるもの。
そこには、乗組員たちの命がけの行動や俊敏な判断などが挙げられることでしょう。

 

夫婦が離婚の危機を乗り越え、生還を果たすということは、命を守り抜くことと同じだと言えます。
家族の操縦かんが、あなたとパートナーの手にゆだねられている限り、「結婚とは何か?」「夫婦の正しいあり方とは何か?」を知ることなしには、目指すべき幸せの島には決して到着できないでしょう。
ぜひとも夫婦という飛行機をしっかりとメンテナンスし、常に操縦技術の向上に励んでほしいと思います。

 

 

小川陽子

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