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前回は、第一番目として言葉で「親切」にすることを紹介しました。今回は「行動」で親切にすることについて考えてみましょう。
行動で親切にする方法の例としては、「皿洗いを一緒にする」「買い物に行く」「弁当箱にメモを入れる」「感謝の気持ちを伝える」「抱擁する」などがあります。
子供にとっては、親と一緒に何かをやること自体がうれしいものです。子供に、「皿洗いをしなさい」と言うよりも、「一緒に皿を洗おうか」と言ってみてください。子供の誕生日の前後一週間ぐらい、その子の誕生日にまつわるメールを送ってあげてみてください。「お父さんは、お前の応援団長だよ」とか、誕生日の前日に「明日いよいよ、母さんも初めて20歳の娘を持つ時が来たね。わくわくするね。」などのメールを送ってあげるのです。これは時間があるかないかの問題ではなく、親の心に「家族」という種がしっかりと植えられているかどうかが問題なのです。「家族」という種を、毎日心に植えて生活していきましょう。
続いて、「信頼残高の預け入れ」の第二の方法は、謝ることです。「ごめんなさい」と言うことは、家族に対する責任感の表現なのです。自分のイメージを気にしたり、地位にこだわったり、他人の評価が気になったりして、謝ることをしない親がいます。果たして、謝ることが自分のイメージダウンになるのでしょうか? そんなことはありません。かえって、家族に対して積極的に責任を持つ姿勢を示すことになるのです。謝ることのできない親の姿は、かえって子供を幻滅させてしまいます。親が子供に謝ることで、子供は親を許すチャンスを得ることになります。そうして、何でも話し合える親子関係がスタートするのです。できるだけ早く謝ることが大切です。「あなたが謝ったら、私も謝る」。これが一番よくないことです。
第三は、陰で子供の悪口を言わないことです。「私の親は陰で私の悪口を絶対に言わない」という信頼感は、非常に高い信頼残高を子供の心に預け入れることができます。
第四は、約束を守ることです。家族で出かけると決めた日や、誕生日会をすると決めた日、家族で話し合うと決めた日などを守るのです。だいたい約束を破るのは、親の方が多いのではないでしょうか。どうしても約束を守れない時は、子供の目を見て、「ごめんね。約束したのに用事が終わらなくてね。必ず別の日に時間を取るからね」と謝りながら伝えてみてください。子供にとって、親が必ず約束を守ってくれ、私のために時間を取ってくれるという信頼感が大きいのです。そのような信頼があってこそ子供は、親の話を聞こうとするのです。
第五は、許すことです。これも大きな愛するポイントとなります。他人を許すまでは、私は“被害者”であり続けます。被害者であるかどうかは、相手が決めるのではなく、私自身が決定するのです。私が被害者である限り、心の成長はそこで止まってしまいます。特に、親子の関係の中で許すことができるようにすることが大切です。
以上の5項目を中心に、家族一人ひとりの心に信頼残高をどんどん預け入れていく生活に挑戦してみましょう。そのポイントは「自分が変わる」ことです。そうすれば、何でも話し合える家族関係の土台ができていきます。もちろん、すぐにできるわけではありません。家族・夫婦で相談しながら、まずはできる範囲で挑戦していきましょう。決して理想家庭という夢をあきらめないようにしてください。
多田聰夫