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授受作用の原則は、原理講論の50ページをみると、
「あらゆる存在を作っている主体と対象とが、万有原力により、相対基準を造成して、よく授けよく受ければ、ここにおいて、その存在のための全ての力、すなわち生存と繁殖と作用などのための力を発生するのである。このような過程を通して、力を発生せしめる作用のことを授受作用という」
とあります。
「万有原力」とは、創造目的・理想家庭をなそうとする神様の力です。また、「相対基準を造成」とは、創造目的を中心に、相手の気持ちを共感し、相手の気持ちや言いたいことを受け止めようとすることです。「授け受ける」というのは、お互いの気持ちを共感しながら理解し、お互いの意見の違いや共通点を理解して心が一心になることです。そのように相手を理解してから、初めて、私自身が相手に理解してもらえるようになるのです。そして互いに共存し、繁殖し、いろんな活動が出来るようになります。
物の見方は人それぞれです。私たちは、自分のメガネで、周りの世界を見てしまうことが多いのではないでしょうか。
一度、お互いのメガネを交換してみましょう。どうでしょうか? 相手のメガネで見てみると、世界がずいぶん違って見えるものです。また、自分のメガネでよく見えたとしても、そのメガネで他人もよく見えるとは限りません。
母親と幼稚園の子供が手をつないで歩きながら、多くの観客の中で花火を見ようとしたときに、母親は花火を見ることができるのですが、幼稚園の子供は背が低すぎて見ることができません。この時、母親が子供と同じ目線に立って見てみれば、人の腰しか見えないことが分かります。このように、子供の見る目線で子供を見てみることが必要なのです。
子供が話をしてきた時には、しっかりと子供の気持ちを受け止めながら、親子が向き合っていくことが重要です。そんな時、親は子供の話に回答を準備しようとしてしまいますが、実は子供は回答を求めているのでなく、ただ気持ちを受け止めてほしいと思っているだけのことが多いのです。
一つの例をあげてみましょう。あるお母さんが、22歳の娘さんが話しかけてきた時に、初めは子供の気持ちを理解したいと思いじっと話を聞いていたのですが、途中から回答を考え始めたのです。すると娘さんは、「母さん。回答を考える必要はないからね。ただ聞いてくれるだけでいいからね」と話してきたそうです。
親と子供の目線は、そもそも違っているのです。親としては、慎重に丁寧に子供の気持ちに心を寄せて、心を感じ取って行く必要があるのです。そうすることで、初めて親子の心が分かり合えるようになるのです。また、それを通して、親自身も真の親として愛を成長させていくことができるのです。
多田聰夫