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子供たちに絶対に必要なものは、個人的な関心です。子供が何人いたとしても、親は一人ひとりに対して、個人的な関心を持つことが大切です。子供は一人ひとり特別な存在なのです。十把一からげで子供を同じように見つめるだけでは、親の愛情が子供に届きません。
また、子供は一人ひとり真実な存在なのです。私の子供として生まれてきたわけですから、生まれたままを真実な姿として受け入れましょう。そして、一人ひとりの子供の個性を愛していくようにしましょう。行動がゆっくりでおっとりとしている性格の子、何事もてきぱきとこなしていく性格の子、静かな性格の子、話好きな性格の子など、皆個性豊かな私の子供たちです。
問題は、たいていの子供たちは自分が親から特別な存在と思われていないと感じていることです。それは、親の愛情が子供に届いていないからです。親としてはこどもを愛しているわけですが、その愛情が子供に届いているかを確認していないことが多いのです。子供一人ひとりに対して関心を向けることは、親の愛情を子供に届かせることになります。子供たちに完全な愛を与え、彼らの前向きな経験を分かち合うことによって、時間が経つにつれて、健全で信じ合える関係のための投資になるのです。
ここで、一人ひとりに関心を向けることの例を紹介します。
『私たち夫婦が子供たちと一緒に分かち合っている家族の伝統の一つは、それぞれの子供たちと別個にデートをすることです。たとえば、最初の土曜日は、長男と一緒に昼食デート、二週目の土曜日は二番目の息子とのデート、といったようにです。
デートをする日は、私たちが以前一緒に計画しておいたことを行います。たとえば長男とのデートの日には、ファミレスに行き彼が一番好きなポテトを食べ、二番目の息子の場合には、スーパーマーケットに行ってやはりその息子が一番好きな三色のあめの棒を買って、その後マックに行きました。私たち夫婦は、土曜日を“それぞれの子供たちと一緒に過ごすデートの時間”としてあらかじめ空けています。
カレンダーを見せてあげ、どの日が誰とのデートの日なのかを知らせてあげ、それぞれのデートの主人公たちと一緒に、その日に何をするか計画を立てます。デート時間内の意思決定もまた子供たちの役割です』
自分が愛されていることが分かっていれば、他の兄弟が親から愛されることを受け入れることが出ます。兄弟げんかが絶えない原因は、親と子供一人ひとりに特別な愛情が結ばれていないからなのです。子供一人ひとりと一対一の時間をしっかりと持つようにすると、兄弟げんかは次第におさまっていくようになります。
ある家庭で、長男は第二土曜日、次男は第三土曜日というようにカレンダーに印をつけて、一ヶ月の間、愛の実行をしてみました。すると、愛される日の二日前ぐらいになると「お母さん、あと二日で僕が愛される日だよね」、と言ってきたそうです。自分が愛されることがわかっていると、他の人が愛されることも受け入れることができるのです。一ヶ月たってみると、子供たちはお父さんやお母さんが家族から愛される日が決まっていないことに気が付き、その日を決めようということになりました。母の日になると、子供たちが飛びついてきて顔中にキスをいっぱいしてくれたそうです。
多田聰夫