子供の気持ちを理解する共感的聴き方

自立の心、思いやりの心、感謝の心を子供に育むためには、親は子供自身の責任において解決することを望む必要があります。親は、子供が自分で解決しやすい環境を整えてあげるのです。この環境の一つが、子供の気持ちを共感してあげることです。子供がどんな気持ちでいるのか、何を考えているのかをよく聞いてあげることが、共感するということです。子供の気持ちを共感してあげることで、親子の信頼関係が築かれ、子供の心に安心感が湧いてきます。子供の心に余裕が出てきて、子供が自身の責任で問題を解決していくようになるのです。

 

 

さて、共感的聴き方とはどんな聞き方でしょうか。

共感的聴き方には以下の三段階があります。
1)子供が話したことを繰り返してあげて、聞いてあげる
2)聴いた話を本人に理解できるように言い換えて話してあげる
3)子供の考えていることを心で汲み取ってあげる
もちろん、三段階目の子供の心を汲み取って聴くことが、一番親の愛情が子供に届く聞き方になります。

 

 

一つの例話を紹介します。
22歳の娘を持つあるお母さんの話です。ある日、親子で夕食をした後、娘のほうからお母さんに話しかけてきました。めずらしく、娘が会社でのことをいろいろ話してくるのです。お母さんは、これは良く聞かなくてはと思い、しばらくじっと聞いていたのですが、親としていろいろ気づくことがあり、ついアドバイスをと思い、話し始めてしまいました。すると娘は、それ以降黙ってしまいました。お母さんは「しまった」と思ったのですが、娘は寂しそうな顔をして、「ただお母さんに聞いて欲しかっただけだから」と言ってその場を去ってしまいました。それでそのお母さんは、「あの時最後まで娘の話を聞いていればよかった」と反省したというのです。
子供の心を親が共感できないと、子供は孤独を感じるようになっていきます。親の愛が子供に届く時というのは、話を聞いて子供の気持ちをしっかり共感している時なのです。共感的に話を聞くことは、親と子供の心が一つになるために大切なことなのです。

 

 

私たち親は、子供の心のふるさとになってあげる必要があります。ふるさととは、自分が安心を感じる場所であり、自分の気持ちを誰よりもわかっていてくれる人がいる所です。自分を誰よりも愛してくれる人がいる所です。親には何でも話せるという安心感があって初めて、子供の心が解放されて安心感が生まれてくるのです。

 

 

ここで、「共感的に理解する」ことの効果を紹介しましょう。
1)親の思いやりが子供に伝わり、愛情を感じ心が満たされる。
2)心が正常に働き、自立の心が育ち、思いやりの心が芽生える。
3)自己を見つめる心のゆとりが生まれる。
4)親に対する信頼感が一段と深まり、自分の抱えている問題に気づく。
5)自分で解決しようとする意欲が起きる。
6)自分で解決するための能力が身に付く。

 

 

ぜひ何度も何度も、「共感的に話を聴く」練習をしてみてください。そうすることで、共感的聴き方を自分のものにすることができるでしょう。そのような努力することが、私たちが「真の親」になっていくための道を一歩歩み始めたことになるのです。

 

 

多田聰夫

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