「親メッセージ」の伝え方③

 「親メッセージ」は、子供の行動によって親が困難を感じた場合にも用いることができます。
子供の行動や発言によって親が困難を感じた時、親の反応としては一般的に「直接的に子供の行動を変えようとする」「環境を変えようとする」「自分自身を変えようとする」という三つの方向性があります。

 

一つの例で考えてみましょう。子供がテレビを見たり、ゲームをしたりしてなかなか勉強しようとしないという場合に、第一は「子供の行動を変えようとする」、つまり、テレビやゲームを見ないように注意したり怒ったりします。第二は「環境を変えようとする」、つまり、テレビをなくしたり、ゲームを捨てたり(壊す人もいたり)します。第三は「自分自身を変えようとする」、つまり、仕方がないと諦めるか、それとも子供の気持ちを共感しようとするのです。

 

ここでまず、親と子供の位置を確認する必要があります。親子が心を一つにしたいときは、親と子が縦の関係ではなく、横の関係になる必要があります。そのうえで、親子の気持ちを一つにしていく努力が必要です。親が上の位置から権力を行使したのでは、ますます子供の心は離れていきます。
親は往々にして子供の行動を変えたいと願いますが、子供と同じ目線に立ち、子供の心を共感し理解してあげることが必要なのです。

 

さて、では子供の行動を親として指摘したり、注意したりする時は、一体どうしたらいいのでしょうか?

 

 

①まず自分に問いかけてみましょう

 

「この返答は本当に子供の役に立つだろうか? それとも、子供をただ正したいという、親の欲求を満たそうとしているだけなのか?」と自問してみましょう。そして、もし自分の中に怒りの感情があるならば、まだ返答すべきではないと理解しましょう。心が落ち着くまで待ってみましょう。

 

②「まず理解する」について考えてみましょう

 

子供に親の事情を理解してほしいと願う前に、まず子供の気持ちを分かってあげようとしてみましょう。子供が何を大事に思っているのかを考え、この返答がどのように子供の目標達成にとってプラスになるかを考えてみましょう。いつも子供に対して「愛のことば」で語りかけるようにしてみましょう。

 

③「子供」と「子供がしたこと」を分けて考えましょう。

 

できるだけ子供を責めないように自分の気持ちを伝えることです。また、子供にレッテルを貼って、先入観で見ないようにしましょう。子供の行動の結果がどうなっているかを説明し、自分がどう感じたかを伝えるのです。子供と問題行動を一緒にしてしまうと、「あなたはダメな人間だ」という間違ったメッセージが親から子供に伝わり、子供が「自分はダメな人間だ」と思い込んで自信を無くしてしまうことにもなりかねません。

 

④時には時間を空けることも必要です。

 

改善するつもりがない人に問題点を指摘しても意味がありません。脅かすだけで逆効果になることが多いのです。よけいに反発してしまい、関係が悪くなってしまうことも考えられます。改善できそうもないことは、指摘しない方がいいことが多いのです。そういう時は、少し時間をおいて見てあげることが必要です。

 

⑤「私」という言い方でメッセージを伝えましょう。

 

自分の意見や感じたことを、「私」から始まるメッセージで伝えます。「あなた」で始まるメッセージは、相手の問題点を指摘し、相手の行動を変えさせようとする表現となり、相手が責められていると感じることはあって、愛情を感じることはありません。「私」から始める「親メッセージ」で、愛情を込めた言い方にしましょう。

 

多田聰夫

 

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